以下は「日本のミニカー (カラーブックス 411) 文庫 – 1977/1/1 中島 登 (著)」からの抜粋です。

株式会社永大

グリップゼッケン グリップテクニカ シンセイ同様永大も後発メーカーだけに、既存メーカーがあまり力を入れていなかった中間スケールの建設車グループをテーマとしたグリップゼッケンを昭和四十八年六月に発表。価格も四五〇円均一という、これまたトミカとダイヤペットの中間を狙った手頃なコスト政策と、異常な建設ブームに支えられるという幸運もあって、順調な滑出しであった。その後、年々種類を増し、ついに45点を突破したが、同シリーズはすべベて作業車ばかりで乗用車、スポーツカーがまったくみられないことが、コレクション・トイとしての魅謝力に欠ける原因になっている。ただし一台一台はかなり精巧なスケール・モデルであり、技術的には優れたメーカーといえる。同じ建設車でも、シンセイがキャスト・メーカーらしくオールキャストに徹したのに対し、グリップがプラ材を多く採入れたのは前身がプラモデル・メーカーだからであろう。